SSブログ

冬の間の活動から その3 [活動報告]

前回に引き続き、この冬の間の活動をお伝えしております。

・1号機レストア
12月最初の週末、1号機のレストアの中心になっているとっちゃん・ぶにゃんさんの通称“浜松コンビ”がまきば線機関庫に登場しました。
おふたりはお住まいの事情もあり、そうたびたびまきば線に来ることは出来ませんが、ひとたび来るとなると、様々な構想・パーツとともにどんどん作業を進めていきます。

まずは水面計。もともと1号機に付いていた水面計は、前回9月中旬に行われた初の火入れ試運転の結果、バルブ周りの磨耗による漏れが目立ちました。補修で何とかなるような摩耗ではなく、試運転のような一時的使用はともかく、今後の使用を考えると交換が望ましい状況です。
そこで安全かつ1号機のキャブにも似合う水面計を探したのですが、いまどきそんなレトロな水面計を必要とするボイラーも少なく、そのような水面計が製造されているかどうか怪しい状況です。捜索は困難を極め、一時は安全のため現代風のステンレス製でもやむなしかとも思われました。
しかし八方手を尽くして探した結果、現在の安全基準に適合し、なおかつ1号機にも良く似合う砲金製の水面計を発見、そしてこの日、無事1号機のキャブに砲金製の“新品”水面計がお目見えしたのでした。
0009306_3M.jpg
鈍く輝く砲金の“新品”水面計

続いては加減弁リンクの改良です。
前回の試運転の結果、もうひとつ発覚した不具合が加減弁リンクでした。
このリンクは運転台から加減弁(走行用蒸気の制御弁)に繋がり、いわゆる“アクセル”を制御する役割を担っています。しかし、試運転の結果、加減弁が蒸気溜め内にあるため、ボイラー内の圧力が上がると、リンクを押し出そうという力が働き、その結果、機関士が操作レバーから手をはなすと弁が自然に開いてしまうという構造的欠陥が発覚したのでした。ボイラー圧力が上がると自然に走り出してしまっては、安全上も問題ありでそのままにしておくわけにはいきません。
もちろんボイラーの圧力がかかったくらいではびくともしないくらいに操作部分を固めてしまうという手もないこともないですが、そうなると、操作が重くなり機関士に負担がかかりますし、いざという時の操作が遅れ、これまた危険になりかねません。
そして、この欠陥を改善すべくとっちゃんが考え出したのが、「リンクの運転台側からも蒸気圧をかける」というスゴ技だったのでした。リンクの運転台側に小型のシリンダーを取り付けてリンクの反対側の端末をその中に収め、加減弁側からの圧力に拮抗する力をかけ、“つりあい”をとるというのです。
理論はともかく「ホントにそんなの作れるのか」という一部羅須地人たちの疑問をよそに、ブニャンさんの書いたポンチ絵を元に、とっちゃんが手配したロッドと配管部品を持ち込みました。作業は再びぶにゃんさんの担当です。その場にある物を旋盤等を使って加工し、かれらは見事やり遂げたのでした。
0009346M.jpg
浜松で準備してきた“加減弁つりあい装置”を取り付けるぶにゃんさん

0009346_2M.jpg
運転台側“つりあい装置”のアップ

0009346_3M.jpg
想定どおり出来に思わずガッツポーズ

更には安全弁も見直されました。安全弁とは何らかの理由でボイラー内の圧力が上がりすぎてしまった場合、爆発を防ぐために自動的に蒸気を外に逃がすための弁で、ボイラーには欠かせない安全装備です。
もともと1号機についていた安全弁も使用は可能ですが、安全を考えると新品に交換する必要があります。しかし安全弁は蒸気溜め上のチャームポイントでもあり、外観上はあまり変えたくありません。そこで浜松コンビがとったのは、「旧安全弁の中に最新安全弁を収めてしまおう」という手段!
外見上では旧安全弁と全く変わりませんが、オリジナルのケースの中には最新の安全弁が仕込んであります。これで安全対策もばっちりです。
0009348M.jpg
古いケースの中に最新安全弁が!

そして、その他のいろいろな準備が整った12月7日夕方、営業運行の終了を待って、9月に続いて2度目となる1号機への火入れが行われます。
0009352.jpg
日も暮れた機関庫、1号機の煙突から煙がたなびく

0009352_2.jpg
いよいよ出庫、試運転の開始

0009337_2.jpg
性能試験を行いつつ本線上を快調に走行

今回の2度目の試運転では、今回取り付けられた各部品の状況が確認されたほか、新品に交換された安全弁についても作動試験を実施、無事予定通りの圧力で予定通りの蒸気が吐出、安全性が確認されました。
0009361_2.jpg
盛大に蒸機を噴き出す新安全弁

今回の試運転でもまた新たにさまざまなフィードバックを得て、1号機は着々とレストアが進んでいます。

さらに活動報告は続きます。
nice!(4)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 4

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。