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5月3日 そして夜が始まる [活動こぼれ話]

さんさんと輝いていたお日様もだんだん西に傾いてきました。
多くのお客さんで賑わったまきば線も、すこしづつ落ち着きを取り戻してきます。
午後4時を過ぎると蒸機列車にも少しずつ空席ができ始め、再びバトンタッチしたポッター号も、荷が軽くなったのか快調にティンバーへの勾配を駆け上っていきます。
そして午後4時半、最終列車が乗り場に到着し、この日の営業運行が無事終了しました。


ポッターの牽く蒸機列車が
西日に向かってトラクターと併走する

運行が終わり、列車が機関庫に帰ってきます。煙管掃除などの運行後整備が終ると、今日のまきば線の活動は終ります。しかし、もちろん羅須地人たちがこれで終るわけがありません。
まずは機関庫裏の中庭ではTさんとHさんが屋外用テーブルのリニューアル作業を始めています。今夜は新しい食卓での夕食になりそうです。


合板製の天板を金属製に交換

一方、機関庫前ではなにやらAさんがポッターの余熱を使ってナベ風呂の準備です。
でも、今年のナベ風呂はちょっと違うようです。今回の蒸機運行にあたり、事前の担当者会議が行われ、その会議でお風呂のためだけに機関車の火を残しておくのはやめようということになりました。そのため、今までのようにボイラーの蒸気でお湯を沸かすようなナベ風呂もやめることにしました。
しかしその一方で、やっぱり蒸機運行後はゆったりと風呂に浸かりたいものです。なんとかナベ風呂を存続したかったAさんはいろいろ知恵をめぐらし、入浴できる方法を考えているようです。

まきば線でナベ風呂に使っているナベトロの容量は約1立米、1,000リットルもあり、家庭用のお風呂の2~3倍はあります。これを適温まで沸かすためには相当な熱量が必要です。しかしこれについては蒸気機関車の余熱を利用させてもらうことにしました。すでに火を落とした機関車は、それでもまだ3~4kg/cm2ほどの圧力があります。もちろんそのままにしておくと徐々に冷えて圧力もなくなってしまいますが、圧力が落ちる前にその残った蒸気を湯沸し用に利用しようとしているようです。
残余の蒸気ですからそれほどの熱量は期待していなかったそうなのですが、実際、なべに張った水にぼこぼこと蒸気を吹き込んでみたところ、残った蒸気でもなんとか入浴に適した温度までお湯を沸かすことができました。
しかしそこで次の問題発生です。ナベトロはお風呂じゃありませんので(あたりまえです)、保温材がありません。せっかく沸かしても熱は逃げ放題で、すぐにお湯の温度が下がってしまいます。
そこでAさんが出してきたのはガスコンロ。ナベトロのフレームの上に鉄板を敷き、そしてそこにプロパンのガスコンロを設置し、下から直接ナベトロのナベ部分を炙ろうというのです。
Aさん曰く「だって“ナベ”は火にかけるものでしょ?」
…ちょっとちがうような。

炎が直接あたる部分はナベが相当熱くなることが予想されましたが、Aさんは“すのこ”を持参し、“五右衛門風呂”風に入浴しようとしていたのでした。
こうしてどうにかこうにか“新”ナベ風呂が完成、お風呂に浸かりながらビールを満足げに呑むAさんだったのでした。


ビール片手にうれしそうなAさん


こんな感じで下から“炙って”ます

お風呂の容量に比べるとガスコンロの熱量はそれほど強くないため、急激に沸かすことはできませんでしたが、お尻の下に敷いたすのこの間から、じわ~っと熱めのお湯が立ち昇ってきて、これまたよく暖まる風呂になったのでした。
ちなみにこの作業風景や入浴風景を、閉園ぎりぎりまで残っていらした鉄道ファン数人の方々が興味津々、なぜかばしゃばしゃとたくさん写真撮影しているではありませんか。
撮影された方、メタボリックなAさんの無修正三段腹画像とか、公序良俗に反しますのでばら撒かないでくださいね(笑)

そしてAさんが気持ちよさげにビールを飲み干しているころ、厨房ではインドから来たなぞのインド料理人アジャパーさんが寸胴鍋からおいしそうな香りを漂わせ始めていたのでした…。

ということで、羅須地人の夜はまだまだ始まったばかりです。


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コメント 2

長者丸

遅ればせながら、3日は色々と有難うございました。夕方の機関区前で“なぜかばしゃばしゃと写真撮影して”いたうちの約1名です(^^;)。
じつはちょうど私のブログでもお風呂の話をアップしたところでして…いちおう公序良俗に反さない(笑)ように写真選んだつもりですので、よろしければご笑覧ください。
ともあれ、いちナベ風呂ファンとして今回の無事存続はうれしい限りであります。
by 長者丸 (2007-05-19 12:14) 

事務局長

長者丸様
ブログ拝見しました。
楽しくご紹介いただきありがとうございます。三段腹が露わになっていないようなので、メタボリックなAさんも安心していましたよ(笑)
でも新ナベ風呂にもまだまだ改良の余地ありとのことでしたので、また新たな手法ができるかもしれません。長者丸さんはナベ風呂ファンとのことですのでそのときにはまたぜひ遊びに来てくださいね!
by 事務局長 (2007-05-22 22:03) 

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