“立山トロ長物Ver.”補修される [活動報告]
まきば線には通称“立山トロ”と呼ばれるトロッコがあります。もともと富山県の立山砂防工事軌道で活躍していたのですが、廃棄処分になった後、縁あってまきば線にやってきました。当初、酒井5tDLや立山人車と共に3輌、その後、2001年には十数輌増備され、まきば線でも一大勢力となっています。
サスペンションもなく、なかなかワイルドな乗り心地ですが、まきば線運行当初はこの立山トロにベンチを積んで営業運行したりしていました。その後、フラットカーがデビューした後はお客さんにお乗りいただくことはなくなりましたが、現在も資材類を載せたり運んだりと重宝に使われています。
この立山トロ、ほとんどがいわゆる“トロッコ”の形をしています。前後の妻板とのあいだに側板をはめ込むと無蓋車として使用でき、立山砂防工事軌道でもほとんどがこの形で使用されていました。しかし中には森林鉄道の運材台車のように、妻板がなく、中央に回転する腕木が備わっている車輌もあります。この車輌が2輌ひと組にすると、レールや鋼材などの長物を運ぶことができます。
まきば線の立山トロのうち4輌がこのタイプで、2組のペアを組んで、レールや分岐用枕木などの資材運搬に活躍しています。
5月中旬のこと、この立山トロ長物Ver.が急遽機関庫前に集められました。そして、回転式の腕木部分を中心にレストアが始まりました。
立山砂防工事軌道で長い間活躍した後、まきば線でも10年間にわたり風雨に耐えてきましたが、腕木部分の木材はずいぶん老朽化していました。この腕木が交換されると共に、金属の部品も錆が落とされ、再塗装の後、給脂されました。台車部分の床板張り替えまでは行われませんでしたが、“長いモノ”を載せるには充分な補修が行われました。
この補修は4輌2セットすべての立山トロ長物Ver.に対して行われ、補修後は車輌庫に保管されています。
…あとは、この上に載る“長いモノ”がやってくるのを待つばかり。
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