へろへろ！！ ～その栄華と終焉～

へろへろ線路にスコップ付きナベトロ
“へろへろ”原理主義者の思いが結実した

先日の続きです。

砂利取り線末端部への“へろへろ”線路敷設に成功した“へろへろ”原理主義勢力は、さっそく彼らの聖地ともいえる“へろへろ”線路にナベトロを運び込みます。そして砕石を満載し、スコップを差し込むと、“へろへろ”原理主義者の間からため息にも似たどよめきが上がったのでした。彼らの脳裏に広がる光景は広々とした河川敷か、はたまた煤けた鉱山の一角かは知る由もありませんが、彼らの思いが結実した瞬間だったのでした。
…その横で、保線大臣がなんだか首を傾げていましたが。

しかし、いつまでも浸っているわけにはいきません。「砂利取り線」の名が示すとおり、本来の目的のもと、砕石の運搬が開始されます。手押しでナベトロが押し込まれ、砕石が積載されていきます。積み終って車輪のロックを外すと、そのままナベトロはゆるゆるとヤード方向へ転がり始めるではありませんか。どうやらこの砂利取り線にはゆるやかな勾配がついているようです。整地もほどほどにゲリラ的に敷設されたため、水平がとれていなかっただけなのですが、“へろへろ”原理主義者たちは「…ふっ、計算通りだぜ！」などと得意顔だったとか。しかし、意図したかどうかはともかく、結果的には作業の都合もよく、次々と砕石が運び出されていったのでした。

手押しナベトロで砕石が搬出される

砕石を積んだナベトロは、そのままヤード部分の新規敷設部分まで転がされます。砕石散布ののち、タイタンパーで搗き固められて、線路が仕上がっていきます。

なべとろから散布される砕石

タイタンパーで仕上げ

このナベトロによる運搬作業については、メンバーの一人が動画をアップしていますのでその様子をご覧ください。



このように、砂利取り線は敷設初日から大活躍となりました。そして、今回の作業を成し遂げた“へろへろ”原理主義者たちは、近い将来に敷設されるであろう更なる“へろへろ”線路の敷設に向けて夢を語り合っていたのでした。彼らの聖地“へろへろ”線路はいつまでも安泰なものと誰もが信じ切っていました。


…しかし、彼らの栄華も長くは続きませんでした。
敷設からちょうど2週間目の12月11日のこと、彼らの心のよりどころであった砂利取り線のへろへろ部分5．5mが何者かによって剥がされるという事件が発生したのです！

何者かによって剥がされた“へろへろ”線路

どうやら「高規格線路こそ正義！」の思想に基づく“高規格”主義勢力がとうとう動いたようでした。事務局が核心を知ると思われる“高規格”主義勢力の 親方 首領に突撃取材したところ、
「なんかよ～、線路の先に出来そこないの“ハシゴ”みたいなのがくっついてっからよ～、邪魔だから外しといたよ！」
彼は不敵にも“ニヤリ”を笑みを浮かべ“犯行”を認めたのでした。

しかしあの“へろへろ”原理主義勢力がこれで終わるはずはありません。彼らは、「簡単に剥がすことができたということは、まさに“ポータブルな軌匡”を具現化したものであり、簡易軌道工法の優秀性を示すものである」とプロパガンダに余念がなかったのでした。

“高規格”主義者が言うところの“ハシゴ”、“へろへろ”原理主義者が言うところの“ポータブルな軌匡”は、今も砕石置き場に転がされており、今後の展開は混迷を極めています。

つづく…のか？


※もちろん今回の記事にも一部憶測に基づく脚色が入っています（笑）

タグ：保線作業