2号機と過ごした9日間 その5 [活白2号機]
間が開きましたが2号機と過ごした9日間 その4のつづきです。
一方、キャブ後部のコールバンカー(石炭庫)には25年前の薪と石炭がそのまま残されていました。
25年前の薪が残るコールバンカー
この2号機が糸魚川市に譲渡された際、動態保存を行うという計画があったためか、ボイラーに水を張りさえすればすぐにでも火を入れられるようにしたようです。
グリースでコーティングされていたロッドといい、この残された薪と石炭といい、2号機をわが子のようにかわいがっていた運輸課長の松沢さんの配慮だったのでしょう。
しかし、その後計画は変更になり、2号機に再び火が入ることはありませんでした。薪や石炭は使われることなく、松沢さん愛用のハンドスコップと共にそのままコールバンカーの中に積まれたままとなったのでした。
積まれたままの薪や石炭は湿気を含み、コールバンカーの鉄板に錆びをもたらしました。そしてその錆びは25年の間にじわじわと進行し、キャブ後部の鉄板を腐食させていったのでした。
腐食の進んだキャブ後部の鉄板
このキャブ後部の鉄板にはブレーキレバーの土台ともなっています。その鉄板の腐食は深刻で、ブレーキレバーを動かすと鉄板が耐え切れずに崩壊してしまう可能性がありました。
問題のブレーキレバー
結果的にこの鉄板はブレーキレバーを支える重要構造部品ということで、新たに作成されることになり、切除されることになったのでした。切除された鉄板は、もはやほとんどの部分が酸化鉄と化しており、作業をしたメンバーは「ミルフィーユのようだった」とも語っていました。
切除されたキャブ後部の鉄板
鉄板が切除されたあとのコールバンカー
内側もサビサビ
次回からはいよいよ修復作業が始まります。
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