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3号機水圧検査完了 [活動報告]

現在レストアが続けられている3号機ですが、このたび水圧検査を実施しました。
この水圧検査というのは、ボイラーに水をいっぱいに入れて圧力をかけて、ボイラーの漏れや耐久力を検査するもので、通常使用圧力よりも高い圧力をかけて安全かどうか検査します。
ボイラーは蒸気機関車の命とも呼べる部分ですが、使用のたびに高温高圧に曝されています。もしも強度が低下していたら、最悪の場合、爆発などの危険があります。そのため、法定検査としてボイラー検査協会による検査を年一回受けることが義務付けられており、毎年それに合格しないと使用できません。私たち羅須地人鉄道協会の機関車も、毎年ボイラー検査協会の検査を受けており、もちろん合格しています。が、今回はその法定検査とは別に3号機修繕の一環として自主検査を実施したものです。

安全性を確かめるには、実際に圧力をかけてみる耐圧検査を行うのが一番簡単な方法です。しかし試験とはいえ蒸気や圧縮空気などで使用圧力以上の圧力をかけて、もし強度が落ちていたら爆発の危険があります。そこで蒸気の代わりに水を使用します。水であれば高圧時と大気圧状態との体積差が少ないので爆発はしません。使用圧力以上の高圧を安全にかけることができます。
ということで、この耐圧検査では実際に水を使って高圧をかけて検査を行います。そしてその高圧のまま一定時間圧力が下がらなければ検査合格です。
もしも漏れなどが発生していたら、まず圧力計の針がじわじわ下がり始めます。そして漏れのある部分から水がにじんできたり、ちょろちょろと流れ出したりして漏れている部分を特定できます。そしてもしも強度的に弱い部分があれば、「パキッ」とか「カキン」とか破断音がして、そのあと水がダバダバ漏れたりして「おしまい」になります。

今回の水圧検査は通常使用圧力6kg/cm2に対して66%増の10kg/cm2の圧力をかけての検査を行いました。ボイラー内に水を満たした状態でバルブを閉め、ハンドポンプで少しずつ加圧していきます。時折ハンドポンプを動かす手を休めては、圧力計の針の動きに注目します。
圧力計の針が通常使用圧力である6kg/cm2を過ぎると、さらに慎重に圧力をかけていきます。日頃きちんと整備はしていますが、なにしろ70年以上前の骨董品です。もし破断してしまったら「おしまい」です。

緊張の時間が過ぎ、圧力計の針は無事10kg/cm2を示しました。まずはここまでの強度検査はOKです。
つづいてハンドポンプを止めてポンプに繋がるバルブを閉じます。針は………動きません。そのまま一定時間を経過させます。圧力の低下は………ありません。漏れもないようです。検査は無事終了です。

ということで、3号機復帰に向けての山を一つ越しました。近日中に元気に走り回る3号機の姿が見れることでしょう。


なかなか見れない3号機圧力計の10kg/cm2表示


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