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ホハ2、2フィート軌道に載る(後) [活動報告]

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まきば線に佇むホハ2

さて、無事に2フィートのまきば線に載ったホハ2ですが、改軌が完了したということで「“もう”ここまで来たか」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、実はレストア作業に取り組んでいるわたしたちの感覚としては「“まだ”ここまでしか来ていない」という思いです。
実際、今回改軌することができたホハ2は、これまで下周りのみ最優先で作業を進めてきました。その一方で車体関係は全くの手つかずで、車内にはまだ『レストランポッポ』時代のテーブルも残っています。
また、もう一輌のホハ5は、車体のレストアを優先して行なってきましたが、ようやく取り組むべきことの全容が見えてきた段階で、こちらの下周りは未着手です。今後、ホハ5の台車も改軌され、近いうちにホハ5も2フィートの線路に載ることができると思います。
しかし、ホハ2もホハ5も、車体や内装、屋根の補修・復元など、取り組むべき作業はたくさんあり、皆さんにお披露目できるようになるまでには、まだ相当な時間がかかると思われます。
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ホハ5はようやく片面の腰板が外れた状態

また、今回ホハ2が“事務局長ポイント”で躓いたように、まきば線の軌道や設備自体もまだこれらの旧井笠客車を安心して運行できる状況ではありません。
これまで運行してきた車両よりも一回り大きな車両たちを安全に安心して運行するためには、軌道の直線部分はともかく、曲線部分のカント(傾き)やスラック(軌間の余裕)などの点検・補正や、場合によっては曲線半径の小さな部分を敷設し直す必要もあるかもしれません。
また、その軌道の下にある道床などの確認や、相当数の枕木交換なども必要になると思われます。車両自体のレストアや整備ももちろん、「鉄道」としての軌道や設備、そしてそれに携わるわたしたちのスキルアップも含め、全体を見直していかなければならないと考えています。

今回、ホハ2が改軌されたということで、ぜひ早くこの客車たちが走る姿を見てみたい、と思われる方もいらっしゃるとこと思います。作業に携わっているわたしたち羅須地人のメンバーもその思いは共有しています。しかし、前述のような事情もありますので、まきば線でのこの客車たちの運行はもうしばらくお待ちいただければと思います。
もちろん、ホハ2はせっかく元の台車を履くことが出来ましたので、可能な範囲で車庫付近での展示等もできればと考えています。しかし、レストア作業の都合や他の作業の兼ね合いで調整がつかない場合、また劣化促進の恐れがある場合には展示を行いませんが、ご理解いただきたいと思います。
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作業終了後、ホハ2は再び車両庫へ

さて、今回お知らせしたとおり、いろいろな方々のご支援の下、ホハ2、ホハ5のレストア作業はゆっくりではありますが着実に進んでいます。そして、わたしたち羅須地人のメンバーも、“まきば線を走る井笠客車を見てみたい”“3号機や6号機・ポッターに牽かせてみたい”“そしていつかは1号機に…”という希望をもって活動に取り組んでいます。
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いつかこんな編成がまきば線を…

3回にわたってホハ2の改軌の状況およびホハ2・ホハ5のレストアの状況をお伝えしてきましたが、この木造客車のレストアは、わたしたち羅須地人鉄道協会の設立の目的である“心象鉄道風景の具現化”を、大きく前進できるものと考えています。素晴らしい鉄道情景を具現化し、それを多くの皆さんと共有するためにも、今後も着実に活動をすすめてまいりたいと考えています。
引き続きご理解ご支援のほどよろしくお願いします。
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平成の世に蘇った“木造客車が屯ろする構内風景”

タグ:井笠客車
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