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ホハ2、2フィート軌道に載る(中) [活動報告]

さて、2フィートゲージ化が完了したホハ2、当初予定した作業は無事完了しましたので、あとはそのまま車庫にしまうだけ……で終わるはずがありませんよね、やっぱり。
せっかく(笑)ですので、台車の転がり具合や首振りの具合の確認も兼ねて、6月の搬入以来出たことのなかったヤードから本線に出てみようということになりました。
さすが新品のベアリング、たっぷり給脂したこともあり、車両自体は4トンを超える重量がありますが、人力でも動きます。
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まずは人力で恐る恐る未踏の2フィート軌道を進む

台車の転がり具合を確認した後、制動の関係もあり、立山酒井102号機が登場、井笠鉄道でも西武山口線でも未経験(のハズ)のディーゼル機関車に牽かれ本線に向かいます。
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102号機に牽かれ自らの台車で2フィートの軌道を往く

このまますんなりと本線デビューかと思われたホハ2ですが、最期の最後に思わぬ関門が立ちはだかりました。ヤード入口にある通称“事務局長ポイント”とも呼ばれる“いい加減分岐器”です。
機関庫線と車両庫線を分けるこの分岐器は、昨年4月のヤード工事の際に設置された曲線分岐ですが、もともとはずいぶん昔に事務局長が作成した分岐器なので“事務局長ポイント”と呼ばれています。作成当初は軌間などがビミョーにいい加減でしたが、設置場所が車両留置線の奥ということで、大勢にはほとんど影響がありませんでした。ヤード整備の際にはそのまま廃止されるかと誰もが思っていました。
ところが新ヤードの線路配置の関係から、なんとヤード入口の分岐器として“大抜擢”されてしまい、設置当時からいろんな(主に「大丈夫かよ」的な)意味で注目を集めていました。再設置の際に不具合はいろいろと調整されましたので、その後の運行では特に問題は発生しておらず、このままヤード分岐器の役割を無難にこなしていくものと思われていました。

ところがっ!
すっかり牙を抜かれた(笑)と思われていた“事務局長ポイント”が、ホハ2の本線デビューに立ち塞がったのです。
軌間などは問題がなかったのですが、分岐器自体の曲線に加え、前後のレールの接続の関係もあり、車両庫側への分岐側線路のカーブの曲率が、台車の首振り可能範囲を超えてしまいそうになってしまったのでした。
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“事務局長ポイント”に集まり台車を覗き込む羅須地人たち

  「なんだ、どうしたっ!」
  「“事務局長ポイント”だよ」
  「なんだ、“事務局長ポイント”か?」
  「…やっぱり“事務局長ポイント”かよ!」
この分岐器の来歴を知る羅須地人たちは口々に“事務局長ポイント”を罵ります。この場に事務局長本人がいなかったのが不幸中の幸いでした。
しかし、いくら事務局長を罵ったところでホハ2は本線には出られません。台車の首振りを制限している部分を確認し、可動範囲を広げられるように急遽加工作業が行われました。

そんなこんなの紆余曲折を経て、ようやくホハ2が本線レールの上に載ったのは、秋の日も傾いた午後5時過ぎのことでした。
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“事務局長ポイント”をクリアしてようやく本線への入線を果たしたホハ2

そのまま、“せっかく”なので本線上のヤード付近に設置されたプラットホームに入線を試みます。
もともと2フィート6インチゲージの車両だけに、プラットホームとのクリアランスなどが懸念されました。しかし、このホームは同じく元2フィート6インチゲージの頸城鉄道ラキ1の入線も考慮して造られているだけに、無事入線を果たすことができました。
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プラットホームに入線したホハ2と羅須地人たち

10月に入りすっかり日の入りも早くなり、すでに薄暗くなりはじめたまきば線ヤードですが、古枕木で土留めされた低いプラットホームにダブルルーフの木造客車が佇む光景に、作業に携わった羅須地人たちもこれまでの疲れも忘れて見入っていたのでした。
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秋の夕暮れ、低いホームに佇む木造客車

続きます。
タグ:井笠客車
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