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井笠客車から“お宝”! 前編 [トピックス]

元井笠鉄道の軽便木造客車が6月にまきば線にやってきて2か月が経過しました。その間、調査も兼ねた修復作業が進められてきました。
その作業の中でいくつかの意外な“お宝”が発見されました。

まず最初の“お宝”、テーブルと内装の隙間から発見されたのは、“レストラン ポッポ”のメニュー!
この木造客車は、1984年(昭和59年)5月に西武山口線改築により廃車になった後、1988年(昭和63年)7月から西武園ゆうえんち内の“レストランポッポ”として使用されていました。永らく遊園地の代表的なレストランとして親しまれていましたが、2010年(平成22年)3月にレストランは閉店となりました。その“レストラン ポッポ”のメニューがこの客車の内装の隙間から出てきたのです。
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メニュー表紙。木造客車のサイドビューが広がる

メニュー自体はコートされた厚手のボール紙製で、二つ折りになっています。
メニュー表紙はまさにこの木造客車のサイドビューで、“木造客車内でお食事”ということが、大きなセールスポイントだったことがよくわかる表紙です。
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メニュー裏側。提供されていた料理・飲物が並ぶ

そしてメニューの裏面には提供された料理・飲物が並んでいます。
主なものとしては、
 オードブル
   若鶏の唐揚げ………………………………¥600
   ソーセージの盛り合せ………………………¥600
   チーズの盛り合せ……………………………¥600
 お料理
   ポッポセット…………………………………¥1,800
   海老フライセット……………………………¥1,500
   豚ロース生姜焼きセット……………………¥1,500
   テリヤキチキンセット………………………¥1,500
   ハンバーグステーキセット…………………¥1,500
   ミニバーガーフルーツカクテル添え…………¥800
 パスタ・カレー
   和風スパゲッティー サラダ添え…………¥1,000
   スパゲッティーミートソース サラダ添え…¥1,000
   若鶏のカレー サラダ添え………………¥1,000
   小海老のカレー サラダ添え……………¥1,000
   お子様ポッポランチ………………………¥1,000

この他にスープやサラダ、飲物としてはコーヒー・紅茶、ジュースなどのソフトドリンクに加え、生ビール、ウイスキーまで用意されていました。
海老フライやハンバーグ、スパゲッティーにカレーと、遊園地内のレストランのにぎやかな食卓を彷彿とさせるメニューです。きっとたくさんの家族連れがこの客車の中で楽しいひと時を過ごしたことでしょう。

さらに、メニューと一緒に発見されたものが“うちわ”です。
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メニューと一緒に発見された“うちわ”

このうちわ、“西武園ゆうえんち 七夕まつり”というロゴと共に、七夕飾りと夜空に輝く花火が切り絵風に描かれています。西武園ゆうえんちの花火は夏の風物詩ともなっているものですが、おそらくレストランポッポ時代には、お客さんたちはこのうちわで扇ぎながら軽便客車の窓越しに花火観賞していたと思われます。
その花火を楽しむテーブルから、何かの拍子にメニューとうちわが落っこちて、たまたま内装の隙間にはさまってしまったのでしょう。そのまま気が付かれることなく時を超え、現在のまきば線によみがえってきたと思われます。
すでに鉄道車両としての役割を終えていたころの“お宝”ですが、この車両の歴史を物語る貴重な資料ですので、大切に保管していくこととなりました。

木造客車から見つかった“お宝”はこれだけではありません。
次回へ続きます。
タグ:井笠客車
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コメント 2

NO NAME

こんにちは。埼玉県所沢市に生息しているものです。
2ヶ月前に御中に「レストランポッポ」として使用されていた客車2両が西武園遊園地から旅立ったことからコメントさせていただいております。
この「レストランポッポ」にはだいぶ前に私もちょっとした思い出がありまして・・・
当時私は幼稚園の頃だったと思います。何か「お絵かき」のイベントがあったか何かで昼食をこの「レストランポッポ」で食べた思い出があります。
現在、ハローキティトレインとしてメルヘンタウンなるものの遊具となっている遊覧汽車ですが、メルヘンタウンが開園する前は、ウエスタン調のなんとも格好の良い西部開拓鉄道を思わせる格好の良い列車でした。
その汽車にも何回も乗った記憶があるのですが、当時はその汽車の乗り場がこの「レストランポッポ」の真横でした。当時から鉄道好きだった私はもちろん、他の同じイベントで来ていたちびっこ達も汽車が廻っていくごとに線路側にキャーキャー良い意味でやかましい声を張り上げながら料理そっちのけで走り回っていた記憶があります。
その3~4年弱後に来て見たときに現在「ハローキティトレイン」となってしまっていたことに心底がっかりしたものです。
私は小学校に上がると同時に幼稚園のクラスメイトともバラバラになってしまっているので当時、誰がどのような話をしていたのかも覚えていません。ですが、このウエスタン調に成り切れないでどこか日本の"でんしゃ"の面影のある客車を床をガタガタ揺らしながら走ったことや相対式のホームに遊園地の蒸気機関車風の蓄電池機関車ともともと西武線の「鉄路」の上を走っていた汽車が違和感なく(遊覧汽車の走る向きの関係上反対方向でしたが)並んでいた様は覚えております。
それから何年か経ち、2011年3月に惜しまれつつ営業を休止したレストランポッポと伴に、用途上老朽化が進行していた同車はスクラップにされるものかと思っていましたが、まさか保存されるものとは思っておりませんでした・・・・
もう「おとぎ列車」として山口越えをしていた時から何年も経っておりますが、井笠鉄道から大手私鉄、それからレストランなどという波乱に満ちた生涯を送ってきた同車を御中で保管されることに今更ながら感謝を勝手に述べさせていただく次第であります。
どうか、同車の末永い保存を、一時に利用した鉄道ファンとしてお願いさせていただきます。
by NO NAME (2011-08-29 13:50) 

事務局長

>NO NAMEさま
コメントありがとうございます。
わたしたちのメンバーの中には、井笠鉄道で現役時代を目の当たりにした者や、西武山口線に足繁く通い数多くの写真を残した者など、この車両には何人ものメンバーが強い思い入れを抱いています。
斯く言うわたしも、中学生時代、自宅から片道2時間ほどの距離を自転車で山口線に通い、遊園地前駅から山口信号所まで何度もコッペルと競争していました。
わたしたちメンバーに限らず、おそらく、井笠鉄道、西武山口線、そしてレストランポッポと、100年近くにわたる歴史の中で、NO NAMEさんをはじめ数多くの皆さんの思い出に残る車両となっていたことと思います。
今回、いろいろなご縁でこの車両をお預かりすることになりましたが、NO NAMEさんほか皆さんのご期待に応えることが出来ればと考えています。
今後ともご理解ご支援のほどよろしくお願いします。
by 事務局長 (2011-08-30 00:37) 

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