井笠客車の調査進む その5 [活動報告]
外観・内装に続いて床下の調査も進められています。
“木造客車”ではありますが、フレームは鉄製です。鉄のチャンネル材がリベットで組まれてフレームとなっており、その上に木製の柱と床梁が並び、木製の車体構造物が載っている構造になっています。
床下はいたってシンプルで、フレーム中央部に鉄製の横梁、そしてその両端に鋳物製のキングポスト、そこから車体端部に向けてターンバックルが伸びています。
手ブレーキ用のブレーキロッドはありますが、井笠鉄道でも西武山口線でも空気制動化されていなかったようで、エアタンクや空気配管等もなく、車端部のブレーキハンドルからのロッドが車体中心部に伸び、そこから前後の台車に振り分けられれるだけのあっさりした構造です。
見上げた床材は長い年月を経たと思われる深い色合いですが、老朽化により一部張り替えられた部分もありました。
また、木造客車の特徴でもある鋳物製のキングポストとそこから伸びる車体の歪み補正用のターンバックルは、全長9m弱の軽便客車とはいえ、しっかりした構造になっています。
鉄道車両の材料としての木材は、加工がしやすい半面、重力や湿度・温度の影響を受け歪むことがあります。そのため木造客車はそのゆがみを補正するために、このようなキングポスト(1本のものはキングポスト、2本以上のものはクイーンポストというそうです)に長さが調節できるターンバックルを掛けて、車体のゆがみを補正するような構造になっています。木製部分は迂闊に手を出せませんが、この辺の部分は鉄製ですので、多少なりとも過去のノウハウを生かすことができます。そこで調査と並行して、劣化した塗装の剥離と錆止めも進めていきます。
また、ブレーキロッドやリンクなども、床下ということで風雨から守られていたためか、リンケージのピンやターンバックルのねじなどもまだまだ十分使用可能と思われました。
続きます。
“木造客車”ではありますが、フレームは鉄製です。鉄のチャンネル材がリベットで組まれてフレームとなっており、その上に木製の柱と床梁が並び、木製の車体構造物が載っている構造になっています。
床下はいたってシンプルで、フレーム中央部に鉄製の横梁、そしてその両端に鋳物製のキングポスト、そこから車体端部に向けてターンバックルが伸びています。
手ブレーキ用のブレーキロッドはありますが、井笠鉄道でも西武山口線でも空気制動化されていなかったようで、エアタンクや空気配管等もなく、車端部のブレーキハンドルからのロッドが車体中心部に伸び、そこから前後の台車に振り分けられれるだけのあっさりした構造です。
見上げた床材は長い年月を経たと思われる深い色合いですが、老朽化により一部張り替えられた部分もありました。
また、木造客車の特徴でもある鋳物製のキングポストとそこから伸びる車体の歪み補正用のターンバックルは、全長9m弱の軽便客車とはいえ、しっかりした構造になっています。
鉄道車両の材料としての木材は、加工がしやすい半面、重力や湿度・温度の影響を受け歪むことがあります。そのため木造客車はそのゆがみを補正するために、このようなキングポスト(1本のものはキングポスト、2本以上のものはクイーンポストというそうです)に長さが調節できるターンバックルを掛けて、車体のゆがみを補正するような構造になっています。木製部分は迂闊に手を出せませんが、この辺の部分は鉄製ですので、多少なりとも過去のノウハウを生かすことができます。そこで調査と並行して、劣化した塗装の剥離と錆止めも進めていきます。
また、ブレーキロッドやリンクなども、床下ということで風雨から守られていたためか、リンケージのピンやターンバックルのねじなどもまだまだ十分使用可能と思われました。
続きます。
タグ:井笠客車
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